発行日 2009年5月1日
Published Date 2009/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009234169
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
47歳男性。患者は2002年10月、胃癌の術後検診にて右肺門の異常陰影を認めたが、気管支鏡検査では悪性所見が得られず、経過観察となっていた。しかし、2003年3月、異常陰影の増大を認めたため、再検査を行ったところ、胸部CTで右肺上葉肺門部B1、B2、B3分岐部に腫瘤陰影が認められ、3D-CTでは右肺上幹動脈からの3分岐部から中間肺動脈幹背側にかけ腫瘤がみられた。更に気管支鏡ではB1入口部に壁外からの圧迫所見が確認され、気管支擦過細胞診ではclass II、FDG-PETでは右肺門部に腫瘤状のFDG集積が認められた。以上より、本症例は転移性肺腫瘍または原発性肺癌が疑われ、右肺上葉切除術および系統的肺門縦隔リンパ節郭清が施行された。その結果、病理組織学的に肺門リンパ節転移を来した原発不明の上皮内癌であった。目下、術後5年経過で再発・転移はみられていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2009