発行日 2010年2月1日
Published Date 2010/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010107250
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17歳男。気管切開(気切)部からの大量出血を主訴とした。亜急性硬化性全脳炎(SSPE)にて気切・人工呼吸器管理となっていたが、吸引時に血痰を認め、気切部外側より動脈性で噴水状の出血をきたした。65分後に救急外来を受診し、血圧は測定不能であったが、出血はチューブの位置やカフ圧の調節でコントロールでき、胸部造影CTで気管無名動脈瘻(TIF)と診断された。家族の希望で緊急手術を行い、重篤で進行中のSSPEを合併しており脳機能の改善は期待できないこと、無名動脈(IA)の単純遮断により右手首で40mmHgの血圧を維持できたこと、年齢的に脳内での左→右血流が期待できることなどから、IA起始部の単純遮断による解剖学的血行再建術を選択し、瘻孔は直接閉鎖した。術後のCT像では新たな梗塞像やIAの狭窄は認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2010