発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004140250
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50歳女.胸部X線像上異常陰影を主訴とした.検診胸部X線検査にて右肺門の異常陰影を指摘され,精査加療目的で入院した.胸部X線,胸部CTにて右肺門部S5に右肺動脈と接する辺縁不整の腫瘤影を確認し,右S3,S5の末梢に索状影を認めたが,身体所見,検査所見,腫瘍マーカーおよび頭部MRI,腹部CT,骨シンチグラム,67Gaシンチグラムに異常はなかった.胸腔鏡補助下(VATS)肺生検により低悪性度B細胞MALTリンパ腫と診断され,VATSにて上・中葉切除術,リンパ節郭清術(ND2a)を施行した.病理組織所見では右肺門部S5に20×10mm大の,右S5,右S3の末梢にそれぞれ数mm大の病変が存在し,これらは中型リンパ球の増生からなり上皮内リンパ球浸潤を認めた.肺一側性の限局病変と判断して術後化学療法は行わなかったが良好に経過し,術後10ヵ月経過した現在も再発・転移の兆候は認めていない
©Nankodo Co., Ltd., 2004