発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017264356
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症例は71歳男性で、55歳に仙骨脊索腫に対してS2以下離断手術を受けた。70歳時に膀胱癌に対して膀胱全摘・回腸導管造設を施行した。膀胱癌術後の経過観察の腹部CTで右肺中葉の結節性病変を指摘された。胸部X線では、両側肺野にび漫性の間質陰影の増強を認め、結節病変は指摘できなかった。腹部CTでは、右肺中葉S5末梢に径15mmの結節影を認め、両側下肺末梢胸膜優位に網状影、牽引性気管支拡張を認めた。原発性肺癌を疑ったが、病変が肺の辺縁に存在し気管支鏡による診断は困難と考えられたため、診断と治療を兼ねて手術を行った。肺を部分切除し、迅速診断は脊索腫の転移であった。病理組織では、仙骨脊索腫の肺転移と診断した。間質性肺炎は通常型間質性肺炎と診断した。術後10日目に経過良好で退院した。
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