発行日 2009年12月1日
Published Date 2009/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010054011
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65歳男。主訴は血痰で、胸部X線検査にて腫瘤影を認めた。胸部CT検査では、腫瘍は中枢側へは左主幹から上下幹分岐部にかけて浸潤し、末梢側へは気管支内腔を沿って樹枝状に伸びていた。生検では低分化型腺癌であり、左上幹原発肺腺癌と診断し、左肺全摘およびND2aリンパ節郭清を施行した。病理組織学的に腫瘍の大部分は淡明細胞からなり、島状に混在する非淡明細胞部分に微小な腺腔構造の散在を認めた。大動脈下リンパ節と上葉気管支周囲リンパ節に転移を認め、病理病期IIIA期の淡明細胞癌と診断した。Carboplatinとpaclitaxelを組み合わせた化学療法を追加し、術後1年11ヵ月現在再発の徴候なく健在である。
©Nankodo Co., Ltd., 2009