発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016019427
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47歳男。主訴は背部痛であった。胸部CTにて気管右背側に、内部に結節影を有する嚢胞を認め、PET-CTでは結節に一致して集積を認めた。その他遠隔転移を疑う病巣は認めず、原発性肺癌の疑いで手術を施行した。術中所見で肺門リンパ節腫大を認めたため、右上葉切除術+リンパ節郭清を施行した。病理組織所見では7cm大の長筒状の嚢胞内に2.7cm大の腫瘍を認め、嚢胞壁への伸展と11sリンパ節転移を認めた。HE染色で腫瘍は明るい胞体をもった細胞巣を形成し、PAS染色陽性でグリコーゲンを豊富に含有し、HMB-45陰性、CD10陽性であった。腎臓に腫瘍性病変は認めず、肺原発淡明細胞癌pT1bN1M0病理病期IIA期と診断した。シスプラチン+ビノレルビン酒石酸塩の化学療法を施行し、術後3年経過して再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2015