発行日 2010年5月1日
Published Date 2010/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010199009
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57歳女。左鎖骨上窩リンパ節腫脹を主訴に受診し、圧痛を伴う約1.5cm大の可動性良好なリンパ節腫大を認めた。CYFRAのみ軽度上昇し、X線で右第1弓の拡大、CTで前縦隔に5×3cm大の造影効果のある分葉状腫瘤を認め、上大静脈(SVC)~腕頭静脈浸潤を疑う胸腺腫と判断して手術を施行した。術中迅速検査で胸腺癌と判断し、SVC~左右腕頭静脈合流部と右肺上葉に浸潤を認め、胸腺摘出術+肺部切除術+既製Y型グラフトを用いたSVC再建+左鎖骨上窩リンパ節郭清を施行した。病理所見より低分化型扁平癌と診断した。術後放射線療法(RT)施行は副作用のため中止し、化学療法CBDCA+PTXを追加施行したが術後1年6ヵ月に局所再発を認めRTを追加施行した。2年3ヵ月現在は右側が開存し、再発は認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2010