発行日 2009年2月1日
Published Date 2009/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009114891
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27歳男。労作時息切れを主訴とした。4歳時にFallot四徴症根治術を受け、24歳時より心房粗細動のため治療中であったが洞調律維持は困難であった。胸部X線で心胸郭比78%と著明な心拡大を認め、心電図で心房細動を認めた。CTでは右心房、右心室の著明な拡大、右心室の胸壁への癒着を認めた。3D-CTでは右室流出路パッチ形成と流出路狭窄を認めた。Fallot四徴症根治術後の遺残心室中隔欠損、二次性三尖弁閉鎖不全、肺動脈弁閉鎖不全、心房細動と診断し、三尖弁輪形成術+肺動脈弁置換術+遺残心室中隔欠損閉鎖+右房maze手術を施行した。術後経過は良好で、第25病日に軽快退院した。術後心胸郭比は60%に改善し、心エコーでシャントの消失と良好な肺動脈弁機能が確認され、二次性三尖弁閉鎖不全もtrivialとなった。推定肺動脈収縮期圧は51mmHgであった。術後2年8ヵ月の現在、洞調律は維持され、術前認めた心不全症状も消失している。
©Nankodo Co., Ltd., 2009