発行日 2016年2月1日
Published Date 2016/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016150839
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45歳男。21歳時に修正大血管転位(ccTGA)、心室中隔欠損(VSD)と診断されたが、著明な肺高血圧を認めたため、根治術の適応はないと判断された。44歳時にふらつきを主訴に当院を受診し、心房細動と完全房室ブロックを認めたが、症状が軽度であったため経過観察となった。今回、失神発作を主訴に一時ペースメーカーを留置し、精査入院となり、ccTGA、VSD、三尖弁閉鎖不全、肺高血圧症と診断された。本例は著明な肺高血圧を認めるものの、酸素負荷による肺血管抵抗の著明な低下や閉塞性肺血管病変を認めなかったことから、ccTGAに対する根治術を行う方針とした。三尖弁には機械弁置換術、VSDにはパッチ閉鎖術、恒久的ペースメーカー植え込み術を施行した。術後経過は良好で、第16病日に独歩退院となった。心胸郭比は術前の66.1%から術後1ヵ月で56.7%へ減少し、Pp/Psは術前の0.74から術後3ヵ月で0.38へ低下した。
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