発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007150044
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症例1(80歳男)。20余年前に心房細動を指摘され、12年後にうっ血性心不全にて入院し孤立性三尖弁閉鎖不全(TR)と診断された。5年後の呼吸困難で投薬治療による心不全コントロールが困難なため手術目的の入院となった。右房の著明な拡大、肝脾腫、下大静脈の拡張さらに三尖弁輪の拡大と右房に広がる高度逆流を認め、弁形成術を試みたが人工心肺離脱時に逆流残存を認めたため弁置換術を施行した。第29病日に軽快退院しCTRも術後5ヵ月で72%、2年には62%と改善した。症例2(74歳男)。65歳時から心房細動を指摘され9年後、孤立性TR、うっ血性心不全と診断され、その後2回の心不全となり3回目にはコントロールが悪く手術目的の入院となった。右房の著明な拡大、脾腫および中等の腹水、高度逆流を認め心不全のコントロールがつかない孤立性TRの診断で手術適応となり、弁尖の脆弱性が強く根治性を考慮して弁置換術を施行した。第19病日に軽快退院しCTRは術前69%から術後59%と改善した。
©Nankodo Co., Ltd., 2007