発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005055342
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73歳女.4年前より近医にて動脈管開存症(PDA)と僧帽弁閉鎖不全症(MR)を指摘され経過観察されていた.今回労作時呼吸困難のため救急搬送され,精査によりMRの増悪による心不全と診断された.胸部単純X線・CT所見で著明な心拡大(CTR80%),心嚢液貯留,肺動脈の拡大を認めた.経胸壁心エコー所見ではMR III度・三尖弁閉鎖不全(TR)III度であった.手術は胸骨正中切開,上行大動脈送血-上・下大静脈および肺動脈脱血にて体外循環を確立し,僧帽弁検索で逆流は後尖の後内側交連寄りの腱索断裂と判明したため,僧帽弁形成術+三尖弁輪形成術を施行した.手術時間290分・体外循環時間173分・大動脈遮断時間122分であった.術後経胸壁心エコーにてMRとTRの再発は認めず,術後経過は良好で,術後44日目に軽快退院となった.術後4ヵ月経過の現在外来にて経過観察中であるが,洞調律が維持され心不全症状は消失している
©Nankodo Co., Ltd., 2004