発行日 2011年3月1日
Published Date 2011/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011192882
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11歳女児。患者は前医にて出生直後にFallot四徴症(TOF)、肺動脈弁閉鎖、動脈管開存と診断された。そして4ヵ月時に著者らの施設でePTFEグラフトが行われ、2歳時にはTOF根治術を施行、右室流出路はePTFEを用いた1弁付きパッチで再建した。経過は良好であったが、5年目より右室流出路パッチの石灰化が認められ、徐々にこれが進行したため、9年目に精査入院となった。以後、肺動脈弁狭窄(PS)および肺動脈弁閉鎖不全(PR)に対し肺動脈弁置換術を施行した結果、病理組織学的にTOF根治術後のePTFEに形成した異所性骨組織が起因したPSおよびPRであった。尚、術後はMSSAによる膿胸を発症したが、cefazolinの投与をはじめ右側開胸による胸膜剥離、膿瘍腔ドレナージにて軽快し、第45病日目に患者は退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011