発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016087079
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症例1は76歳男性で、4年前に重症僧帽弁閉鎖不全症(MR)と心房細動(Af)に対し僧帽弁形成術とmaze手術を行い、周術期に右室梗塞を合併した。今回Afの再発と高度の三尖弁閉鎖不全症(TR)を認め、生体弁による三尖弁置換術を行った。術後に心不全は改善し、2年経過で再発は認めていない。症例2は73歳男性で、7年前に狭心症とMRに対し冠状動脈バイパス術、僧帽弁置換術を行い、周術期に右室梗塞を合併し、術後早期から高度TRを認め外来にて内服治療が行われていた。今回下腿浮腫の増悪と胸水・腹水の増加を認め、心不全コントロール不良となってTRに対して生体弁による三尖弁置換術を行った。術後に胆嚢炎で外科手術を、急性腎不全で血液透析を要したが、透析は離脱できて術後4ヵ月に軽快退院した。術後4年経過で心不全の再燃は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2015