発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006034937
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
63歳男性.患者は突然の胸背部痛で救急搬送された.心電図ではV1~V3にST上昇を認め,X線では心胸郭比62%と拡大を認めた.心エコーでは左室駆出率63%で,心尖部および前壁から前壁中隔にかけて壁運動低下を認めた.更に心カテーテル検査では左冠状動脈主幹部に90%,右冠状動脈に50%の狭窄を認め,左室造影では前側壁から心尖部にかけて壁運動低下を認めた.CTでは上行大動脈~腹部大動脈まで連続する解離を認め,一部は血栓で閉塞していた.以上より,急性胸部大動脈解離による急性心筋梗塞と診断し,経皮的冠状動脈形成術を施行したところ,術翌日には抜管でき,大動脈内バルーンパンピングも離脱できた.術後11日目の左室造影では壁運動は良好で,冠状動脈バイパスグラフトも開存良好であった
©Nankodo Co., Ltd., 2005