発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005017151
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52歳男.突然の胸背部痛を主訴とした.胸部X線検査で縦隔陰影拡大を認めた.胸腹部CTで上行大動脈から右総腸骨動脈までの解離を認めた.解離腔の血栓閉塞は認めなかった.Stanford A型急性大動脈解離と診断し,心尖部送血(TAC)を用いて緊急手術を施行した.脳血管関連の合併症は認めず,軽快退院した.大腿および腋窩動脈への送血が躊躇されるような症例においてもTACは施行可能である.TACが有用な理由として,順行性送血であること,心尖部,左室から大動脈弁を経て送血管を挿入することで上行大動脈の真腔に確実な送血ができること,胸骨正中切開だけで全ての操作が可能となる手技的簡便性が挙げられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004