発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005290830
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上行あるいは上行・弓部置換術を行った急性A型大動脈解離15例を対象に,術後の吻合末梢側解離腔の状態および中期成績について検討した.その結果,平均経過観察期間14±16ヵ月で,9例(60%)に吻合末梢側解離腔の血栓化を認めた.吻合末梢側解離腔の血栓化は,上行・弓部置換術例(A群)では3例全例(100%),上行置換術例(B群)では12例中6例(50%)に認められた.下行大動脈の最大径は,A群で42.3±8.7mm,B群で40.8±5.9mmと,B群で径の開大が軽度であった.下行残存解離腔破裂にて1例が病院死したが,瘤関連イベントにて再手術を要したものはなかった.以上より,急性A型大動脈解離に対する術式として,上行置換術は弓部分再建がなく,人工心肺時間の短縮,出血のコントロールの点からも有利であると思われた
©Nankodo Co., Ltd., 2005