発行日 2014年6月1日
Published Date 2014/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014244265
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41歳男。筋力トレーニング中、下肢の脱力を主訴に発症した。CTでは上行大動脈から腹部大動脈に解離を認め、腎動脈下の大動脈分岐部から4cm上方で、腹部大動脈が閉塞し、側副血行を介して大腿動脈以下が造影された。下肢虚血を伴う急性大動脈解離として、緊急手術の方針となった。集中治療室入室後、右下肢は再灌流障害によるコンパートメント症候群を呈した。右大腿静脈にもブラッドアクセスを挿入し、血液透析を開始した。著しい血清K値の上昇を認めた。下肢の血流を維持すると救命困難と判断し、人工血管右側脚および右大腿動脈を結紮した。循環動態の安定が得られた後、第13病日に壊死した右下肢の切断を行った。急性腎不全に対しては血液透析を行い、第45病日に離脱した。下肢の麻痺に対しリハビリテーションを行い、手術から1年3ヵ月後、車椅子で自力退院した。
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