発行日 2004年7月1日
Published Date 2004/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004272951
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54歳男.食事中に突然激しい前胸部痛が出現した.心電図及び血液・生化学検査所見と胸腹部造影CTで上行大動脈基部から両側内外腸骨動脈へのStanford A型急性大動脈解離を認めた.超低体温下で逆行性脳灌流法を併用した上行大動脈人工血管置換術を施行した.術後経過は良好であったが,前胸部痛が出現したため緊急冠状動脈造影(CAG)を施行したところ,左CAGで広範囲な冠状動脈解離とLCxの分岐直後に強い狭窄を認めた.entry閉鎖目的でステントを挿入し,re-entryの偽腔は残存したが,真腔の血流は良好となり,心電図上のST変化も改善した.その後胸部症状は認めず,冠状動脈造影でもLCx末梢の僅かな偽腔は残存は見られたが,真腔の血流は良好であった
©Nankodo Co., Ltd., 2004