発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006034945
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56歳男性.患者は気分不快と胸痛から一過性意識消失,両下肢脱力が生じ,近医に搬送され,心電図で急性冠症候群と診断された.更に心カテーテル検査で急性A型大動脈解離と診断され,著者らの施設へ転院となった.所見では,意識レベルは混濁,Th5レベル以下の対麻痺を認めた.腹部造影CTでは上行~腹部大動脈までの大動脈解離,下行から腹部大動脈背側の偽腔血栓閉塞と左腎の造影欠損を認め,心エコーで大動脈弁逆流(AR) III度,心嚢液貯留,左室後壁の壁運動高度低下,左冠状動脈主幹部(LMT)解離を認めた.LMT解離による急性心筋梗塞および対麻痺を伴う急性A型大動脈解離,心タンポナーデと診断し,緊急手術を行ない,左冠部Valsalva洞には3mmの破裂孔を認めた.左冠洞再建を伴う上行置換を施行した結果,術後99日には独歩退院となり,術後3年経過現在,外来通院中である
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