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編集後記
山本 伸一
pp.86
発行日 2015年1月15日
Published Date 2015/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200115
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今月の特集は,「神経難病を支える作業療法」である.総説は,神経難病リハの現状と課題.具体的な評価と介入では,QOL評価・地域一般病院における病期別作業療法・療養環境整備・訪問リハ,さらには就労支援まで網羅している.非常に読みごたえがあり,私自身も時間を忘れて拝読させていただいた.執筆してくださった方々に深く感謝申し上げたい.
ゲストエディターの田中勇次郎先生は,私の恩師でもある.1987年(昭和62年)4月,山梨温泉病院(現山梨リハビリテーション病院)に就職した私は,都立神経病院へ3カ月間,週に1日の研修でお世話になったことがある.その際,面倒をみていただいたのが田中先生であった.そこでは,神経難病の患者に対する最新の作業療法が行われていた.右も左もわからない新人OTの私であったが,田中先生は親切丁寧に教えてくださった.日本の第一人者である.当時,ALS患者が使用するマイクロスイッチの製作にも関与させていただいた.各種自助具等の既製品があるわけではなかった.足りないものがあれば,すべてが手作りの時代である.「はんだごてができない作業療法士は,作業療法士でないぞ!」……この言葉を今でも思い出す.本号のテーマが決まった際は,田中先生の名が真っ先に浮かび,早々に打診させていただいた.そして完成したのが,本特集である.今も変わらず,ご活躍されている田中先生.これからも私たちに神経難病作業療法をご教授いただきたい.
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