連載 めざせ 楽寿食・11
栄養管理と食事計画―家族の食事からの応用
松月 弘恵
1,2
,
住垣 聰子
2
,
井上 典代
2
,
大沼 奈保子
2
1東京家政学院大学
2E-net
pp.939-944
発行日 2002年11月15日
Published Date 2002/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901426
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家族と食べるメリット
厚生労働省は「平成13年度国民生活基礎調査」において,療養者が受けている16項目の介護内容について誰が行なっているかを,「事業者のみ」「事業者と介護者」「介護者」「「介護者とその他」に分けて調査した。その結果,「入浴介助」「洗髪」の45%は事業者のみで行なっていたが,他の介護内容の50~75%は「介護者のみ」が行なっていた。その中でも特に食事に関する介護は「介助者のみ」「介助者と家族」で担う比率が高く,「食事の準備・後始末」は71.9%,「食事介助」は78.1%,「買い物」は79.7%であった。これらのことからも介護家族における食事に関する負担の大きさが伺える。
一方,療養者にとって家族と食べるということは,長年食べ慣れたものを生活のペースや食欲に応じて食べられるというメリットの他に,家族との会話や,食事風景自体が刺激となって食欲増進につながることもある。家庭の食卓は病院や施設と異なり,カラフルな食器,テーブルクロスや花など彩りがあり,特にキッチンに隣接している場合には,調理の際の音や香りすべてが五感に訴える刺激となる。
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