連載 めざせ 楽寿食・4
栄養管理と食生活の工夫―ミネラル
松月 弘恵
1
,
住垣 聰子
2
,
井上 典代
2
,
大沼 奈保子
2
1東京家政学院大学家政学部
2E-net
pp.334-337
発行日 2002年4月15日
Published Date 2002/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901483
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ミネラル摂取の問題点
前回の3号で取り上げたビタミンと同様にミネラルも「第6次改定日本人の栄養所要量」から項目が増えた。今回,新たに策定したのは銅,ヨウ素,マンガン,セレン,亜鉛,クロム,モリブデンの7種類であり,従来のものに加えて13種類のミネラル(無機質)に所要量が定められた。
元来ミネラルの体内蓄積量は少ないために,摂取不足が懸念される場合には早期に欠乏症に対処しなければならない。近年,褥瘡の予防・治療に亜鉛投与の意義が認められ,高齢者用の介護用食品にも亜鉛添加のものを目にするようになった。また,半消化態タイプの経腸栄養剤の,エンシュアリキッドやラコールや,医薬品タイプの経腸栄養剤では微量栄養素を添加できるが,食品タイプでは添加できない。よって,使用している経腸栄養剤や濃厚流動食の種類によっては,微量栄養素の摂取不足となることがある。特に食事量の少ない高齢者や1日2回食の場合,菓子やアルコール飲料など嗜好品は摂取できるがおかずの摂取量が少ない場合などには,症状の出現はなくても潜在的欠乏状態にあることも考えられる。
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.