連載 地域ケアネットワークを広げるということ 地域ケアの実践者へのインタビューから その6
マザーリング&ファミリーナーシング研究所所長 竹永和子さんの場合
島田 千穂
1
1社会福祉法人かがやき会・地域ケア福祉研究所
pp.934-938
発行日 2002年11月15日
Published Date 2002/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901425
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マザーリング&フアミリーナーシング研究所の概要
看護職である竹永さんは,マザーリングという概念を軸に,研究,講演,執筆活動を行なっている。マザーリングとは,もともと親が子供に対して行なう愛撫や世話のことを言い,アメリカのダナ・ラファエルが提唱,日本では小林登が紹介したものである。竹永さんはマザーリング・ザ・マザー,すなわち妊娠,出産,育児をする女性へのサポートを重視している。また,この考え方は,更年期の女性や介護者となった女性など,ライフサイクルの中で直面するさまざまな困難を支える上でも有意義であり,竹永さんの活動の対象者は多岐にわたっている。
マザーリング&ファミリーナーシング研究所では,マザーリングという考え方を概念として広めていく活動と,実際にケアという形にして提供することによって広めていく活動を行ない,今年で20年目を迎えた。前者は,ニュースレターの発行,企業が主催する子育て講座,新聞,雑誌などへの執筆,看護大学などでの講義,市民へのボランティア養成講座などであり,後者は,子育て,更年期,介護などで困っている人をクライアントとして契約を結び,カウンセラーの立場でマザーリングという考え方に基づいたサービスを提供することなどである。これらの竹永さんの活動は,ネットワークを活用することによって支えられている。
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