連載 めざせ 楽寿食・2
栄養管理と食生活の工夫―たんぱく質
松月 弘恵
1
,
住垣 聰子
2
,
井上 典代
2
,
大沼 奈保子
2
1東京家政学院大学家政学部
2E-net
pp.160-164
発行日 2002年2月15日
Published Date 2002/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901452
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たんぱく質摂取の意義
高齢者の最大の栄養問題はたんぱく質・エネルギー低栄養状態(PEM)であり,それによりADLや主観的健康感が低下することは本誌6巻11号特集「いま求められる在宅栄養管理とは」でも触れた。そもそもたんぱく質は生命にとって必須の物質であり,細胞の主要な構成成分である。たんぱく質の英語名であるproteinは,ギリシャ語の「最も重要なもの」を意味するproteiosが語源となっている。
食品からたんぱく質を摂取する第1の目的は体たんぱく質合成の材料であるアミノ酸を供給することであり,特に9種類の不可欠アミノ酸(必須アミノ酸)は体内では合成できないため,外から摂取しなければならない。また第2の目的はエネルギー源としての利用であり,エネルギー摂取量によりたんぱく質利用効率は左右される。
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