書評
質的研究のクリティーク・論文作成のためのツールの探求
山崎 あけみ
1
1東京大学大学院医学系研究科・健康科学看護学専攻予防看護学講座・家族看護学分野
pp.425
発行日 2010年9月15日
Published Date 2010/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100468
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
本書は,日本看護科学学会第26~29回学術集会交流集会にて,著者らが継続的に発表してきた内容をさらに洗練させ,1冊の書籍としたものである。『看護研究』誌でも,「質的研究論文のクリティークのためのサブストラクション」と題して40巻2号(2007年),41巻4号(2008年)にそれぞれ関連論文が掲載されている。評者は,サブストラクションを質的研究の評価に導入しようとする試みが新鮮に思えたので,大学院の講義のなかでも参考文献として提示してきた。
本書冒頭にも述べられているように,本来,サブストラクションとは,仮説検証型研究において,理論─デザイン─分析モデルの一貫性を評価する上で,活用可能な技法である。評者が博士課程の院生時代,カリフォルニア大学サンフランシスコ校では,入学して最初の学期に,Dr. Holzemerによる系統立てた講義が必須科目であった。以来,研究論文のクリティークだけでなく,計画書作成段階においても,拠り所とした技法であった。
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.