焦点 看護ケアの質評価と改善─研究の成果と今後の発展に向けて
―翻訳―知識に基づく看護イニシアティブ(KBNI)―研究を実践へ,実践を研究へ結びつける電子医療情報システム
Norma M. Lang
1,2
,
Sally P. Lundeen
1
,
坂下 玲子
3
1University of Wisconsin-Milwaukee College of Nursing, USA
2University of Pennsylvania School of Nursing, USA
3兵庫県立大学看護学部
キーワード:
実践に基づく研究
,
研究に基づく実践
,
情報技術
,
臨床判断支援
,
看護
Keyword:
実践に基づく研究
,
研究に基づく実践
,
情報技術
,
臨床判断支援
,
看護
pp.417-424
発行日 2010年9月15日
Published Date 2010/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100467
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◆要旨◆
ここ数十年の間に看護研究は急激に増加した。現在の課題は,研究を即時に実践へ応用していくことであり,実践からのデータを研究に反映させていくことである。Wisconsin大学Milwaukee校看護学部(UWM CON,以下Wisconsin大学看護学部)は地域,病院,在宅,長期ケアの研究と実践の融合に力を入れてきた長い歴史がある。今回の,新しい知識に基づく看護イニシアティブ(knowledge based nursing initiative ; KBNI)だけでなく,本看護学部のいくつかの活動も文中で紹介する。研究と実践のギャップに焦点を当て,また数十年間の活動をもとに,ウィスコンシン大学看護学部と大規模医療システム,医療情報システム会社は共同で,知識に基づく看護イニシアティブ(KBNI)の開発に,2004年に乗り出した。KBNIは,看護研究を実施可能な知識へと統合していくこと,ケア場面での看護師の臨床判断を支援する電子システムを設計し作成し実行すること,臨床データを集め分析すること,複数の関係者たちに質改善のための報告やフィードバックを提供することを目的としてつくられている。最良の研究成果を実践にもたらすことに加え,KBNIは,臨床の看護実践データを系統的にコード化し,管理し,蓄積するように設計されていて,そのような妥当性と信頼性のある実践データを研究者たちは将来の研究に使うことも可能となる。
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