焦点 研究の枠組みと研究方法のクリティーク—サブストラクションによる分析と統合
サブストラクションの手法を用いた研究のクリティーク:変数に関して
萩原 綾子
1
,
安藤 つぐみ
1
,
片岡 弥恵子
1
,
辻 恵子
1
,
土江田 奈留美
1
1聖路加看護大学大学院博士前期課程
pp.377-383
発行日 2000年10月15日
Published Date 2000/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900735
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はじめに
看護研究をクリティークする目的は,その研究の長所や短所を分析して評価することであり,さらに研究を推進させたり,実践の場において適用可能かどうかを判断することである1)。つまり,看護研究者にとっても,臨床看護婦にとっても,看護研究をクリティークする能力は必要なものである。そのクリティークの方法として,サブストラクションとアウトカムモデルが非常に効果的である。ここに,その実際を報告する。
筆者らがクリティークを行なったのは,Yorkらによる“A Randomized Trial of Early Discharge and Nurse Specialist Transitional Follow-Up Care of High-Risk Childbearing Women”(ハイリスク妊婦の早期退院の試みとナーススペシャリストによる移行的なフォローアップケアの無作為化抽出試験)という論文である2)。論文選定にあたっては,筆者らの専門とする母子が関連する領域について,The Cochrane Database of Systematic Reviewを用いて無作為化対照試験(RCT:randomized control trial)を検索すると同時に,雑誌『Evidenced Based Nursing』からいくつかの研究論文を選択し,熟考した。
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