連載 看護学教育研究実践への提言・16(最終回)
成人看護学教育研究の動向と今後の課題
亀岡 智美
1
,
中谷 啓子
2
,
永野 光子
2
1滋賀医科大学医学部附属病院
2千葉大学大学院
pp.612-616
発行日 1995年7月25日
Published Date 1995/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901152
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はじめに
1989年に改正された保健婦助産婦看護婦学校養成所指定規則1)(以下,指定規則と略す)において,成人看護学は,基礎看護学,小児看護学,老人看護学,母性看護学と共に,看護婦養成教育の専門科目を構成する.人口の高齢化を背景とし,この改正において,それまで成人看護学の中で教えられてきた老人看護学は,小児・成人・母性看護学に23年遅れて専門科目として独立した.老人看護学教育に関し,教育内容体系化の必要性が指摘されているが2),成人看護学教育についても,老人看護学教育を分離した上で,その独自性を明らかにし,教育内容の体系化を図る必要がある.また,それに伴う教育方法の開発も不可欠である.
本稿では,1989-1993年の5年間に我が国の主な看護系学術集会で発表された看護学教育研究783件3)より,成人看護学教育研究を抽出,その動向を明らかにする.そして,看護学教育を教育学的に研究する学問である看護教育学4)の立場から,看護学教育カリキュラムにおける成人看護学教育の位置付けの明確化,教育内容の精選,教育方法の開発を推進するための研究上の課題について検討する.
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