連載 看護学教育研究実践への提言・8
看護学教育の教育方法に関する研究動向と今後の課題・2―演習・体験学習等に関する研究に焦点を当てて
鈴木 純恵
1
,
太田 澄恵
2
,
永野 光子
3
1千葉大学大学院博士後期課程
2千葉大学医学部附属病院
3千葉大学大学院博士前期課程
pp.890-895
発行日 1994年11月25日
Published Date 1994/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900967
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はじめに
「演習」という用語は,看護学教育において多用されているが,教育学関係の辞書類にはこの用語の定義が見当らない.山崎は,「演習」についてその歴史的な経緯から現状について検討した1).その結果,明らかになったのは,「演習」という用語は明治以降に輸入された言葉であろうということだった.また,辞書には練習,擬戦,大学でのゼミナールという言葉によって説明されているが,大学におけるゼミナールには,さらに研究所や大学における討論形式を中心とした教育方法の1つとしての意味があるという.実際,大学の授業内容から「演習」の意味を検討し,同じ用語を掲げていても,実質的に展開されている教育内容や方法は各学部領域によってかなり異なっていることを指摘している.それらには,「練習」としての目的で問題を解くという授業がある一方,「ゼミナール」という意味で用いられ,その学問領域の文献を精読するという授業もあるという.
このように「演習」という用語は,大学における他学問領域の中でも多義的に用いられていると言える.看護学教育にも回様の現象が認められる.
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