連載 看護学教育研究実践への提言・12
看護学教育のカリキュラムに関する研究動向と今後の課題
亀岡 智美
1
,
定廣 和香子
2
1千葉大学医学部附属病院
2千葉大学大学院博士後期課程
pp.292-297
発行日 1995年3月25日
Published Date 1995/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901089
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はじめに
カリキュラムは,「歴史的,社会的影響の結果変化する,発展的で生き生きとしている実在物」1)でなければならず,看護学教育のカリキュラム構成には,少なくとも10年後の看護が社会に果たす役割の考慮が望まれる2)といわれている.これは,カリキュラムがその時代を反映したものであると同時に,次の時代を見通したものである必要性を意味している.看護学教育のカリキュラムは,次代を担う看護婦育成の基盤であり,意図的・組織的教育機関である学校において3),実施しているカリキュラムの評価と改善は,螺旋的に,連続的に,行なわれなければならない.
本稿では,看護学教育のカリキュラムに関する研究の動向について,研究方法・研究内容の視点から明らかにし,今後の課題を検討する.カリキュラムという用語は,狭義には「組織的知識,知的技能および,情意的内容の複合物」として教育目的・目標や教育方法と区別してとらえられる4).また広義には,教育目的・目標や教育方法との関連なくして教育内容を組織することはできないという立場から「教育目標,教育内容・教材,教授=学習活動,評価を含む広い概念として把握し,顕在的カリキュラム,潜在的カリキュラムの両方を含む“学習者に与えられる学習経験の総体”」としてとらえられる5).
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