特集 実践力向上の実習評価へ ポートフォリオ&ルーブリック実践ガイド
ルーブリック導入の意義と課題―「学習者中心」の教育評価へ
高浦 勝義
1
1明星大学人文学部心理・教育学科
pp.1034-1038
発行日 2010年12月25日
Published Date 2010/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101622
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はじめに
2010(平成22)年4月1日付で,厚生労働省より「専任教員養成講習会及び教務主任養成講習会ガイドライン」が出され,同年同月5日に同省医政局看護課長名の同名の「送付について」が出された。各都道府県では同講習会の質の平準化を目指し,積極的に活用が図られていることと思う。この中の「5.実習評価の考え方」の「1)能力評価の必要性」の冒頭部分に,「教育実習における評価は,知識や技能の到達度を的確に評価することはもとより大事であるが,それにとどまることなく,自ら学ぶ意欲や思考力,判断力,表現力などの能力も含めた学習の到達度を評価していくことが重要である。そこで従来の目標分析による到達度評価ではなく,評価対象者の学ぶ意欲や思考力,判断力などの学習をとおして獲得した能力に着目した評価が必要である。それに加えて,自己学習力の向上という観点からルーブリック評価を行う必要があると考える」とある。
教育評価を志す一人として,筆者はこの指摘をうれしく思う。と同時に,この機会を利用して看護教育におけるルーブリック(rubric)の導入の意義や課題等について記してみたいと思う。
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