特集 実践力向上の実習評価へ ポートフォリオ&ルーブリック実践ガイド
IBL(問題探求型学習)検証にルーブリック評価表を用いて―成人看護学演習での導入
赤澤 千春
1
1京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 クリティカルケア看護学分野
pp.1066-1069
発行日 2010年12月25日
Published Date 2010/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101627
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看護基礎教育で求められる主体的な思考判断育成
看護基礎教育は戦後4回の大きな改正を受けて現在に至っている。改正の趣旨で一貫していることは,知識の詰め込みだけでなく,主体的に思考判断できる能力を育成することである。それは看護基礎教育期間が3年から4年しかなく,その期間に医学と看護学の知識を教授することは不可能なためである。というのも医学は日々進歩しており,それらをすべて網羅した内容の教育を提供することは膨大な時間を要する。そこで求められる能力として批判的思考,分析的な問題解決,臨床的な推論,そして主体的な意志決定の技能が要求される。この,主体的に物事に取り組み力を身につけさせるためにカリキュラム上では演習・実習時間が設けられ,知識の詰め込みだけでなく,学生一人ひとりが思考を働かせる,働かせ方を学べるように授業内容を工夫できるようにしている。
その結果,近年ではアクティブ・ラーニングとして「PBL」や「IBL」と呼ばれる演習方法が効果的とされ,少人数の学生を個別に指導するチュートリアルシステムが導入されてきている。PBLはProblem Based Learningの略で「問題解決型学習法」である。IBLはInquiry Based Learningの略で「問題探究型学習法」である。
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