特集 カリキュラムを考える
学習者中心の自己成長を育む教育を―学ぶ人の観点から見た看護教育カリキュラム改正の意義
村田 恵子
1
1神戸大学医療短期大学部
pp.388-396
発行日 1990年7月25日
Published Date 1990/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900066
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はじめに
わが国に正規の看護教育が開始されてから1985年で100年を迎え,今や看護教育2世紀への歩みを進めている.以来ここ数年の,わが国の看護教育界には,確かな動きを裏付けるいくつかの出来事があげられる.1986年には東京で世界初の「世界看護指導者会議」がWHO主催で開催され,看護者は保健専門職における最大のカテゴリーを占める担い手として,変革に向けてリーダーとしての能力を発揮することとの勧告がなされている1).そして,同年には2校の看護大学および看護学部の開設を見,その1校にはこの3月,わが国5番目の看護学の大学院が認可されている.
一方,1987年にはわが国の教育界においても,21世紀に向けての教育改革すなわち臨教審の答申が行なわれた.そして翌年の1988年には看護制度検討会の報告書がだされ,昨年3月には看護教育カリキュラムが改正され,この4月からその適用が開始された.
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