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書評 看護を教える人のためのルーブリック導入講座
小野 美穂
1
1香川県立保健医療大学
pp.675
発行日 2024年12月25日
Published Date 2024/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663202326
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ルーブリック作成から自らの教育を突き詰めて考えよう
本書は、これからルーブリックを作成しようとしている教員はもちろん、私のように十分とはいえない知識のもと、“なんちゃってルーブリック”を作り、不安を感じていた者にとっての救世主、お助け本である。難しい内容もかみくだいて説明してあり、とても読みやすく、なるほど納得、やってみようと思わせてくれた。
看護学教育の評価、特に臨地実習における看護実践の評価は非常に難しい。学生が受け持つ患者の性格や状態・状況によって関わり方も実施するケアも異なり、その結果(出来栄え)が左右されることは往々にしてある。また複数の教員が指導に入る場合の評価点にばらつきが発生し、頭を悩ますこともしばしばだ。その妥当性と信頼性について、大学の場で、こと研究においては厳しく突き詰めるが、授業評価についてのそれをも果たして十分考えてきたか、反省させられた。著者が訴えるように、「ルーブリックを作成することは、教師のなかにある理想とする学生像を具体化し、言語化していくことであり教育を突き詰めて考えていくこと」(本書p.v)だと、本書を通して私は真に実感した。
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