特集 グルメ時代の病院の食事
病院食事のなぜ
篠田 よし
1
,
中村 丁次
2,3
,
下田尾 洋
4
,
山下 茂子
5
,
戸崎 千恵子
6
,
宇井 美代子
7
Yoshi SHINODA
1
,
Teiji NAKAMURA
2,3
,
Yo SHIMOTAO
4
,
Shigeko YAMASHITA
5
,
Chieko TOZAKI
6
,
Miyoko UI
7
1大森赤十字病院栄養課
2聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院栄養部
3聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院内科
4東京都立広尾病院栄養科
5水俣市立総合医療センター栄養科
6君津中央病院臨床栄養科
7聖路加国際病院栄養科
pp.225-232
発行日 1990年3月1日
Published Date 1990/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900592
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朝食は何時が適当か
はじめに
病院の適時給食は,患者サービスとして,また完全喫食対策として考えられ,社会一般の食事時間に近づけること,栄養生理上の理にかなっていることを目的としています.しかし近年増加傾向にある慢性疾患は,習慣病といわれ,食生活習慣を正しくすることが,重視されてきています.日常生活の基本となっている,食事時間を正しくすることは,生活を正すことになり,治療より根本的なことであるので,サービスというより食事療法の一環として行うべきことだと思います.また習慣病の原因の1つとして,社会的諸環境条件が質・量共に加速度的に急変し,生活が忙しくなったため,人間本来がもっている体内時計による,1日24時間周期のリズム(生体リズム)による生活ができにくくなり,社会的リズムを重視した不自然な生活があげられています.したがって,病院の食事時間の設定に当たっては,患者個々の生体リズムを基本とし,気候,風土性,歴史性,民族性,習慣,体質などの条件にも配慮して,1日24時間の治療日課の基本として決めるべきだと考えます.
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