連載 アーキテクチャー 保健・医療・福祉 第24回
病院食事サービスのパラダイムシフト
病院食事サービスのパラダイムシフト
長澤 泰
1
1東京大学工学系研究科建築学
pp.978-979
発行日 1996年10月1日
Published Date 1996/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901940
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■中央配膳方式の限界
病院近代化の担い手として,近年導入されてきた様々な院内業務の中央化.給食業務もこの例に洩れない.かつて各病棟で調理・配膳していた業務を1か所の厨房ですべて行う中央調理・配膳方式が,現在では当たり前のように病院に導入されている.
確かにこの方式は,調理機器や空調・換気・給排水設備を集約できるため,同じ予算で水準の高いものを導入でき,また調理師の協力態勢や栄養士による管理も容易という利点がある.しかし,以前は調理が済めば片端から患者に配れば良かったのだが,今度は,調理された食事の清潔と適温を保って遠くの病棟の各患者に搬送する方法を考えなければならなくなった.つまり,中央調理は良いとしても中央配膳が問題をはらんでいたのである.
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