特集 グルメ時代の病院の食事
オーダーメード食事はできるのか
本間 律子
1
Ritsuko HONMA
1
1水原郷病院栄養科
pp.221-224
発行日 1990年3月1日
Published Date 1990/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900591
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当院の概要
私どもの病院は4町村による一部事務組合立で,一般病床数350床,さらに健康管理センターと老人保健施設50床を併設する総合病院である.また敷地内に特別養護老人ホーム100床があり,廊下で病院と連結されている.栄養科は診療部に所属し,管理棟東端の最上階(3F)に905m2を占め,湿気を徹底的に排除した設計になっている.また併設する老人保健施設の食事も担当し,その食事内容についても病院と同様の複数献立制を導入している.最近の給食数は1日平均の延食数で病院分819食で,うち特別食は212食(26%),老人保健施設分131食である.
現在,病院給食において喫食率を下げている大きな理由として,早すぎる夕食時間,嗜好の違い,冷たい食事等があるように思われ,厚生省国民医療総合対策本部の中間報告によってもその改善を強く求められているところである.私どもは夕食6時配膳をすでに昭和51年7月から実施して本日に到っている.次に,同じ入院患者でも,年輩者と若者では食べ物に対する嗜好がまったく違っているといってよい.そこで,両者に同じ食事を提供するのは大変な現実無視であり,少なくとも年輩向きと若向き程度の献立の違いがあるべきではないかという発想から,昭和53年12月より複数献立制の導入に踏みきったのである.ここに私どもの行っている複数献立の実状について報告したい.
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