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連載 眼の遺伝病・5
ロドプシン遺伝子異常による網膜変性(2)
Retinal dystrophy with rhodopsin gene mutation (2)
玉井 信
1
Makoto Tamai
1
1東北大学医学部眼科学教室
pp.18-20
発行日 2000年1月15日
Published Date 2000/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410906670
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ロドプシンは348個のアミノ酸からなり,視細胞桿体外節の円盤に存在し,桿体外節蛋白の80%を占めている1)(図1)。光が当たるとロドプシンは構造変化を起こし,この構造変化は外節円盤内に含まれるトランスジューシンと呼ばれる蛋白を活性化し,さらにいくつかの蛋白を次々に活性化して光情報が伝達され,視細胞の興奮を引き起こす。この一連の過程は光情報変換機構(phototras-duction cascade)と呼ばれる(図2)。ロドプシン遺伝子は第3番染色体長腕に存在する(図3)。
遺伝盲の第1位を占める網膜色素変性がさまざまな遺伝様式を示すことはよく知られ,それによって分類されたり,予後が語られてきた。しかしその遺伝子異常が証明されたのは,常染色体優性遺伝形式を示す家系において,桿体視物質であるロドプシン遺伝子の配列に起きた突然変異によることが報告された。最初の報告例はロドプシン蛋白の23番目のアミノ酸Prolineをコードしている塩基配列(コドン) CCCの1つの塩基C (シトシン)がA (アデニン)へ点突然変異を起こしCACとなったため,それによって決定されるアミノ酸がHistidineに変化し,発症したものであった2)。現在までロドプシン遺伝子には約100種類の遺伝子異常が確認されている(図4)3)。
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