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連載 眼科手術のテクニック・121
水晶体を温存した周辺部硝子体切除術
Peripheral vitrectomy without lensectomy
池田 恒彦
1
Tsunehiko Ikeda
1
1大阪医科大学眼科学教室
pp.22-23
発行日 2000年1月15日
Published Date 2000/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410906671
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はじめに
近年,硝子体手術時に水晶体摘出術と眼内レンズ挿入術を同時に施行する術者が増加している。硝子体手術時に水晶体を摘出すると,より周辺部の硝子体切除が可能となり,術後に生じる前部増殖性変化を最小限に防止することができる。しかし,増殖糖尿病網膜症(以下PDR)などの眼内血管新生性疾患では,術後に無水晶体眼あるいは偽水晶体眼になると,血管新生緑内障が一定の頻度で生じるなどの問題があり,また若年者で透明な水晶体を摘出することは,術後の調節力の点からも依然として異論のあるところである。
筆者は従来から,白内障や散瞳不良のため術中の眼底視認性が不良の症例や硝子体腔内のフレアが高く,術後に高度の前部増殖性変化が生じる可能性が高い症例以外はできるだけ水晶体を温存する方針をとっている。今回,その具体的な手術手技につき述べる。
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