Japanese
English
特集 神経変性疾患におけるグリアの細胞骨格異常
Corticobasal degeneration—広範なグリア細胞の細胞骨格異常
Widespread Glial Cytoskeletal Abnormalities in Corticobasal Degeneration
若林 孝一
1
,
高橋 均
1
Koichi Wakabayashi
1
,
Hitoshi Takahashi
1
1新潟大学脳研究所病態神経科学部門病理学分野
1Department of Pathology, Brain Research Institute, Niigata University
キーワード:
astrocyte
,
corticobasal degeneration
,
glial fibrillary tangle
,
oligodendrocyte
,
tau
Keyword:
astrocyte
,
corticobasal degeneration
,
glial fibrillary tangle
,
oligodendrocyte
,
tau
pp.905-913
発行日 1996年10月1日
Published Date 1996/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901010
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I.はじめに
Corticobasal degeneration(CBD)は孤発性で通常50-60歳台に発症し,運動拙劣と表現される症状(しばしば左右差)またはパーキンソニズムを初発症状とし,経過中,前頭葉徴候,痴呆,失語,眼球運動障害,ミオクローヌス,ジストニア,深部腱反射亢進など多彩な症候を呈する神経変性疾患である23,62,64,65)。本症は1967年Rebeizら61)によって最初に報告され,以来1985年10)に到るまで約20年の間報告例のみられなかった疾患であるが,近年次々と臨床例ならびに剖検例の報告がなされ,病理学的には神経細胞とグリア細胞の両者に極めて広範な細胞骨格異常が認められることが重要な特徴のひとつと考えられている。
本稿ではCBD例のグリア細胞に認められる異常構造物について述べるが,併せて細胞骨格異常の観点からCBDをめぐる最近の病理学的問題点についてもふれてみたい。
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