呼と循ゼミナール
心筋の保護と冠状動脈血流(4)
平野 禎造
1
1高知市立市民病院麻酔科
pp.984
発行日 1980年9月15日
Published Date 1980/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203627
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第二はisoproterenolのタイプで,収縮期に著明な"Wind Kessel"効果がみられ,基始部での血流波形は二峰性となる。冠血流量の増加は,主に心筋における酸素需要の増大による抵抗血管の弛緩が原因とされるが,血管に対する直接効果もあるらしい。theophyllineも類似の反応を示すが,収縮期の"Wind Kessel"効果は,conductive arteryの緊張低下を意味することから,細小動脈血流に対する灌流圧が増大し,抵抗血管の弛緩した領域では血流が促進されるであろう。一般に,心停止蘇生後や心不全の症例には,isoproterenolを使用しない方がよいと言う意見もあるが,循環動態の充分な監視のもとに使用量を調節するならば,心機能の賦活,後負荷の軽減効果などと相挨って,利用価値が大きいと考えている。
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