臨床雑誌整形外科 71巻9号 (2020年8月)

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は じ め に

 高齢者の大腿骨近位部骨折は深部静脈血栓症(deep venous thrombosis:DVT)を引き起こす1).特に膝窩静脈より中枢(近位部)に発症した急性血栓は,重篤で致死的な肺血栓塞栓症を引き起こす可能性がある2).受傷から入院までの期間は患者によってさまざまであり,さらに待機期間が長くなると手術前のDVT発症,特に近位部の急性DVT発症が増加すると予想され,近年術前でのDVTの診断が注目されている3)

 欧米では大腿骨近位部骨折は早期手術を推奨しているが,日本では現在の医療体制では困難なことが多いとされている4).より安全に大腿骨近位部骨折の早期手術を実施するには,術前に急性DVTの診断とその対策が必要と考えられる.

 本稿では,骨折時から入院までの経過期間による急性DVTの発症頻度と発症部位から,大腿骨近位部骨折の早期手術時の術前DVT診断の必要性を検討した.

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は じ め に

 手指の骨折に対する治療は非観血的処置のほうが予後良好であり,安易に手術を企てるべきではないとされ,開放骨折や機能障害を招来する転位の遺残に対して手術治療が適応される点については現在も過去もかわりない1~3).本稿において,手術適応の手指基節骨骨折に対して,軟鋼線を使用しながらも早期に手指の自動運動が行える筆者らが考案したtwo-dimensional intraosseous wiring(two-DIOW)[図1]4)で内固定した症例の治療成績について報告する.

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は じ め に

 子宮頚癌・体癌に対する放射線治療は現在では確立され,手術と同等の治療成績が得られている.その一方で放射線照射後に発生する股関節障害が整形外科領域では問題となる1~3).本研究の目的は骨盤への放射線照射後に生じる股関節障害の発生状況と治療成績を検討することである.

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は じ め に

 実診療の場において肩関節石灰性腱炎はしばしば遭遇するが,股関節石灰性腱炎は比較的まれである.本稿では当科において経験した急性期股関節石灰性腱炎について文献的考察を加えて報告する.

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は じ め に

 変形性膝関節症(膝OA)患者の多くは,保温する目的で円筒状の布製のはくかたちの軟性装具層(サポーター)を自主的に装着している.しかしサポーターの保温効果が膝OAの疼痛を緩和するとの見解を疑問視する研究がある.Mazzucaら1)は,膝OA患者に体温を保持するような機能を備えた円筒状のサポーターを装着した患者群と通常の綿の弾性包帯を装着した患者群に分け,4週間治療前後での重症度指数の改善度を比較した結果,重症度指数の改善度には両群間で有意差はなかったと述べている.この結果からサポーターの効果は保温が主たる要因ではないと考察した.

 膝OAに対する膝蓋部の皮膚が露出したサポーターの作用機序は固有知覚の改善であるとの報告がある.Herringtonら2)は,膝蓋部の皮膚が露出したサポーター装着前後で三つの異なった種類の固有知覚の試験(軌跡試験,再現試験,角度認知試験)を行った.その結果,膝蓋部皮膚露出型サポーターを装着すると,すべての固有知覚試験が鋭敏になった.

 膝蓋部皮膚露出型サポーターによる固有知覚の改善作用を強化するために,固有知覚膝ブレース(proprioceptive knee brace)が開発された.その一つがOA Reaction(DJO社,Vista)であり,皮膚露出部の形状的特徴からwebbing(クモの巣状)ブレースと表現される3)

 Kwaeesら3)の実験では,膝OA患者がOA Reactionを装着すると階段を下りるときの最大回内,運動の横断可動域(ROM),横断面角速度および最大回内角速度の減少が観察された.しかし,OA Reactionを含む固有知覚ブレースは高価かつスポーツ選手向きのデザインであり(図1a),筆者は数人の高齢膝OA患者にすすめたが,購入にいたらなかった.

 本研究では,市販されている円筒状生地のサポーターの前面にクモの巣状に穴を開け,皮膚を露出させた場合にも固有知覚が改善し,臨床症状が改善するか否かを検討した.

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 現在,私がこの原稿を執筆している4月下旬,新型コロナウイルス(COVID-19)感染症が世界に広がっている.世界全体で感染者は200万人を超え,死者は15万人を超えた.亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げる.また入院治療されている方々の一日も早い回復を心からお祈り申し上げる.

私論

外来診療について 落合 信靖
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 クリニックの安定した経営のためには,整形外科の場合,内科などと違い,平均の診療単価は低いため,1日に診る患者数は内科の倍ほどになります.しかしそれをすべて医師1人で診ることは困難であるため,リハビリテーションを充実させ1日の来院患者数を増やすことが必要不可欠となるといわれています.また,厚生労働省が提示している「社会医療診療行為別統計」および「医療施設調査」をもとに,週の稼働日を5~6日とした調査によると,全診療所の平均的な1日あたりの患者数は,約40人といわれています.実際には1日100人以上来院するクリニックもあれば,1日あたり10数人というクリニックもあるため一概にはいえませんが,おおよそ1日40人以上来院すれば,1日来院患者数の平均値はクリアしていると考えられます.

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 外傷において,椎体破裂骨折や脱臼骨折が非連続性に発生することは比較的まれである1,2).さらに頚椎を含んだ胸腰椎骨折に限定するときわめてまれである.われわれは,2011年4月~2018年9月に当院で高度救急救命センターに搬送されて脊椎手術を行った74例のうち,頚椎と胸腰椎に破裂・脱臼骨折を合併した非連続性複合型損傷を3例経験したので,文献的考察を加えて報告する.

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 Spring plate法に吸収性体内固定用プレートを併用した外傷性股関節後方脱臼骨折の2例を経験したので報告する.

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 壊死性筋膜炎は致死率が高く,早急な治療介入を要する疾患の一つである.左下肢壊死性筋膜炎に対して股関節離断術を施行し救命しえた症例を報告する.

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 脊索腫は,脊索細胞腫由来の悪性腫瘍で進行は比較的緩徐であるが,術後再発率が非常に高く,遠隔転移をきたしやすい.再発を繰り返し,さらに多発肺転移をきたしたが,初回手術から31年間生存が可能であった1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.

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 放射線誘発性肉腫は,放射線治療後長期の潜伏期間を経て,照射野内に二次的に発生する晩期合併症である.限局型前立腺癌に対する放射線治療は,根治治療の主要な手段の一つで,限局型前立腺癌に対する陽子線治療の良好な臨床成績が報告されている1).われわれは,前立腺癌に対する陽子線治療後に恥骨に発生した放射線誘発性骨肉腫の1例を経験したので報告する.

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 肘関節の単関節炎を呈した特発性若年性関節炎の1例を報告する.

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 重篤な多発外傷患者の診断はCTに大きく依存することがあるが,CTのmotion artifactのため骨折を誤診することがある.

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 1968年にvan FurthとCohnは,すべてのマクロファージは骨髄内の前駆細胞に起源し,前単球から成熟分化した血液単球に由来すると結論づけ,単核性食細胞系統(mononuclear phagocyte system:MPS)という概念を提唱した1).骨の吸収を担当する破骨細胞もMPSより供給を受けた単球およびマクロファージが,receptor activator of NF-κB ligand(RANKL)の刺激を受けて破骨細胞前駆細胞へと変化し,細胞融合を繰り返しながら成熟破骨細胞へと分化するものと考えられてきた2,3).しかし,近年一部の組織マクロファージは,胎児卵黄嚢に生じるerythromyeloid progenitor(EMP)から生じ,生後も生体内で維持されることが明らかとなった4,5).それらの卵黄嚢マクロファージは単球系細胞の分化段階を経ずに,造血幹細胞(hematopoietic stem cell:HSC)とは独立した細胞系譜によって発生することが証明されたことで,MPSという概念を見直す気運が高まった.以上の背景をもとに,われわれはEMPに由来する破骨細胞の同定を目指して研究をスタートした.

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は じ め に

 野球の現場においてアイシングは頻繁に用いられている物理療法の一つである.しかし,スポーツ障害に対するアイシングの効果は急性外傷に対する効果に比べて十分なエビデンスが得られているとは言い難い.

 そこで本研究では,小学生野球選手のアイシング実施者と肘痛の関係,超音波検査での上腕骨内側上顆の形態異常の関係,アイシングの実施時期,時間,始めた理由を調査した.

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は じ め に

 小児足関節捻挫では,高率に外果裂離骨折をきたすことが知られている1)が,通常のX線検査では裂離骨片の描出は困難で,前距腓靱帯(ATFL)view2)などの撮影法が提唱されてきた.しかし,X線検査のみでは裂離骨折と診断できない偽陰性例が多く,こうした症例では単なる捻挫として放置され,裂離骨片が骨癒合せず,os subfibulareとなって足関節不安定症や陳旧性足関節外側靱帯損傷(chronic ankle instability:CAI)に移行する可能性が考えられる.また,X線検査で裂離骨片が確認できても,仮骨形成が得られているかどうかの判断はむずかしく,事実上,X線検査を骨癒合の診断,ひいては外固定除去の可否判断に利用することは困難と考えられる.

 一方,超音波検査は,裂離骨片の有無を確認できるだけでなく,骨折部の仮骨形成の有無や不安定性,前距腓靱帯の炎症の程度などの評価が可能であり,有用であるとの報告3)が散見される.

 われわれは,小児足関節捻挫に対して,超音波検査を実施し,裂離骨片の有無および仮骨形成の有無や靱帯の炎症の程度などの評価に基づいた保存的治療を行ったので報告する.

連載 X線診断Q&A

X線診断Q&A 時崎 暢
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Question

 症 例.58歳,女.

 主 訴:左大腿部痛.

 家族歴:特記すべきことはない.

 既往歴:5年前より乳癌の多発骨転移で化学療法とデノスマブ投与を行っている.

 現病歴:1ヵ月前より誘因のない歩行時の左大腿部痛を自覚した.痛みが徐々に増悪するため受診した.

 身体所見:左大腿部の発赤,熱感,腫脹はなかった.左大腿骨近位部に叩打痛がある.左下肢の神経学的異常所見はなかった.

 X線所見:図1に初診時左股関節単純X線像を示す.

連載 卒後研修講座

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は じ め に

 人工膝関節全置換術(total knee arthroplasty:TKA)は1970年代に現在の形に近いデザインが開発され始め,1980年代ごろより世界的に普及し始めた.そしてデザインと手術手技に改良が重ねられ,今日の成功された術式へと発展した.現在,TKAの手術方法は標準化され,十分なトレーニングを受ければ誰でも平均的な臨床成績を得ることができ,長期成績も安定している.しかし,疼痛が残存する患者や,十分な膝関節機能が得られない患者が一定数出現するのが現状であり,未解決の課題も多い.術者は,慎重な患者選択と,緻密でていねいな手術手技,そして疼痛に対する薬剤での治療について十分に習得する必要がある.

連載 専門医試験をめざす症例問題トレーニング

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 症 例.71歳,女.

 主 訴:左手関節痛.

 現病歴:転倒して左手をついてから左手関節痛,腫脹が出現した.近医を受診し徒手整復せずにそのまま前腕から手までのギプス固定を受け,翌日当科を紹介され受診した.

 既往歴:特記すべきことはない.

 初診時身体所見:左手関節前腕から手までのギプス固定を受けていた.感覚障害なし,手指伸展屈曲,母指伸展屈曲良好であった.

骨・軟部腫瘍 川島 寛之
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 症 例.47歳,男.事務職.

 主 訴:左股関節痛.

 家族歴:特記すべきことはない.

 既往歴:30歳時に十二指腸潰瘍.

 趣味・スポーツ:野球(ピッチャー).

 現病歴:約4ヵ月前から誘因なく左股関節痛が出現した.歩行時など荷重に伴う疼痛と,股関節の屈曲や内外旋の動作で疼痛があった.近医を受診後,当科に紹介され受診となった.

 当科初診時所見:身長181cm,体重75kg.独歩可能であったが,左逃避性跛行を認めた.左股関節は屈曲80°,外転20°,内外旋30°で疼痛があった.Patrickテストは陽性であった.下肢の血行や神経学的な異常所見はなかった.

 画像所見:X線像,CT,MRIをそれぞれ図1~3に示す.

 病理組織所見:図4に示す(HE染色).

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【要 旨】

 目 的:変形性膝関節症(膝OA)においてMRIで評価した骨髄病変(bone marrow lesion:BML)が膝の痛みと関連することは報告されているが,単純X線像上の膝OA変化が生じる前段階(早期膝OA)でのBML発生要因を調査した研究は少ない.本研究の目的は,一般地域住民女性を対象に早期膝OAに着目してBML発生を調査し,骨密度および骨代謝マーカーとの関連を調査することである.

 対象および方法:2017年度の一般地域住民健診参加者のうち,単純X線像上の膝OA変化を認めず,かつ膝関節MRIを施行した女性266例を対象とした.BMLはMRIの脂肪抑制T2強調画像でWhole-Organ Magnetic Resonance Imaging Score(WORMS)に基づき評価した.骨密度はDXA法により橈骨遠位1/3部位を測定した.骨代謝マーカーは早朝空腹時採血よりBAP,P1NP,NTx,TRACP-5b,ペントシジン,ホモシステインを測定した.膝症状はKnee injury and Osteoarthritis Outcome Score(KOOS)で評価し,各下位尺度は85%以下を陽性として2項目以上陽性の場合,膝症状ありと定義した.重回帰分析を行いBMLと骨密度および骨代謝マーカーとの関連を検討した.

 結 果:BMLは94例(35.3%)に認めた.BMLあり群ではKOOSおよび骨密度は有意に低値であり,BAP,P1NP,NTx,TRACP-5bおよびペントシジン濃度は有意に高値であった.重回帰分析では膝症状あり群でBMLと骨密度に有意な相関を認め,骨代謝マーカーに関しては,BAP,P1NPが有意な相関を示した.

 結 論:早期膝OAの集団でBMLと骨密度の間に負の相関を認め,骨代謝マーカーの上昇と正の相関を認めており,骨脆弱性がBMLの発生と関連する可能性が示唆された.

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【要 旨】

 目 的:腰痛は野球選手にとって頻度の高い愁訴である一方,その報告は少ない.投球や打撃動作において,力は下肢から腰部を通り上肢へ伝達される.下肢痛は運動連鎖を障害し腰痛を発症しうる可能性があり,下肢の愁訴と腰痛の関連を理解することは重要である.本研究の目的は,少年野球選手における膝痛と腰痛との関連を明らかにすることである.

 方 法:宮城県スポーツ少年団に所属する1,609名の少年野球選手(6~15歳)を対象に,自記式アンケートによる横断調査を行った.膝痛と腰痛との関連を多重ロジスティック回帰分析を用いて解析した.解析に使用する共変量は性別,年齢,BMI,競技レベル,1週間の練習日数,1日の練習時間(平日,休日),試合への参加頻度,練習のつらさ,ポジションとした.

 結 果:腰痛および膝痛を有する選手の割合はそれぞれ8.4%,13.1%であった.膝痛は有意に腰痛に関連があり,「膝痛なし」を基準とした調整オッズ比(95%信頼区間)は「膝痛あり」で5.83(3.93~8.65)(p値<0.001)であった.

 結 論:少年野球選手において膝痛が有意に腰痛に関連していた.少年野球選手における腰痛の予防・治療のために膝痛に注意を向ける必要がある.

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【要 旨】

 目 的:人工股関節全置換術において寛骨臼骨縁からの寛骨臼コンポーネントの突出(overhang)は,腸腰筋腱とコンポーネント縁間の干渉(iliopsoas impingement:IPI)を惹起し,術後の前鼡径部痛を誘発する.本研究の目的は,以下の問いを解明することである.

 ① 骨盤後傾を補正したコンポーネント設置に伴うoverhangの増加量はどれほどか.

 ② Overhangの増加はIPIを惹起しうるほど重度か.

 対象および方法:128股(寛骨臼形成不全群73股,非形成不全群55股)を対象とした.1股のCTデータから中間位骨盤,10°後傾骨盤,20°後傾骨盤の三つのモデルをそれぞれ作成し,それぞれの骨盤モデルにおいてcupモデルを,骨盤後傾を補正したfunctional alignmentで設置した.Overhang 12mm以上をoverhangの閾値と定義し,ロジスティック回帰分析を行った.

 結 果:Overhangは骨盤後傾を10°補正するごとに平均5mm増加した.寛骨臼形成不全[p=0.030,オッズ比(非形成不全股に対し)=2.2],寛骨臼前方開角(p<0.001,オッズ比=1.4),骨盤後傾補正[10°の補正p<0.001,オッズ比(中間位骨盤に対し)=15,20°の補正p<0.001,オッズ比(中間位骨盤に対し)=333]は独立してoverhang≧12mmと関連した.

 結 論:重度骨盤後傾を補正したcup設置はIPIを惹起しうるほどのoverhangを認めることが示された.

Vocabulary

Pmepa1 平田 寛人
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 Prostate transmembrane protein androgen induced 1(Pmepa1)はtransmembrane prostate androgen induced 1(Tmepai)やsolid tumor-associated 1 protein(STAG1)としても知られる一回膜貫通型蛋白質である.前立腺癌細胞のcDNAライブラリーからアンドロゲンにより誘発される膜蛋白質としてはじめて同定された1).N末端に膜貫通ドメインを含む287個のアミノ酸と,E3ユビキチンリガーゼであるNedd4と相互作用する二つのPYモチーフ(PPxY)を含み,またトランスフォーミング増殖因子β(TGFβ)シグナル伝達を介在する転写因子であるSmadの結合部位を有している2).Pmepa1の発現はアンドロゲンに加えて,TGFβや上皮成長因子,Wntなどのいくつかのシグナルによっても刺激され,TGFβにより誘発されたPmepa1はR-Smadのリン酸化の競合阻害やTGFβ受容体の分解を促進することでTGFβシグナルに抑制的に働く3)

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 日本は終戦(1945年8月15日)前日の8月14日にポツダム宣言を受諾し,連合国に対して降伏しました.政府はただちには国民に告知せず,翌日の玉音放送の作製を迫水久常内閣書記官長を中心に行ったそうです.御前会議に出席したメンバーはじめ政府関係者は降伏したことを知っていたはずですが,その日のうちに日本が降伏したことを知った民間人が1人いました.それは私の大叔父,花岡真澄(ますみ)です.大叔父は戦前,片倉製糸紡績株式会社のニューヨーク支店に長年勤務しており(最後は支店長),戦争が始まると第一次日米交換船で帰国してきた人物で,終戦時はたまたま,長野県諏訪市の別宅に戻っていました.私は三井系化学会社が多数ある福岡県大牟田市で焼夷弾爆撃で焼け出され,母方の祖父母の住む上諏訪に疎開していました.

基本情報

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臨床雑誌整形外科
71巻9号 (2020年8月)
電子版ISSN:2432-9444 印刷版ISSN:0030-5901 南江堂

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