Japanese
English
診察と検査
小児足関節外果裂離骨折に対する超音波検査の有用性
Conservative treatment followed by ultrasound evaluation for avulsion fracture of lateral malleolus in pediatric ankle sprain
森実 和樹
1
,
森 孝久
1
K. Morizane
1
,
T. Mori
1
1整形外科つばさクリニック
1Dept. of Orthop. Surg. and Rehabilitation, Tsubasa Clinic, Matsuyama
キーワード:
ankle sprain
,
avulsion fracture
,
ultrasound
,
conservative treatment
,
child
Keyword:
ankle sprain
,
avulsion fracture
,
ultrasound
,
conservative treatment
,
child
pp.1000-1004
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei71_1000
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は じ め に
小児足関節捻挫では,高率に外果裂離骨折をきたすことが知られている1)が,通常のX線検査では裂離骨片の描出は困難で,前距腓靱帯(ATFL)view2)などの撮影法が提唱されてきた.しかし,X線検査のみでは裂離骨折と診断できない偽陰性例が多く,こうした症例では単なる捻挫として放置され,裂離骨片が骨癒合せず,os subfibulareとなって足関節不安定症や陳旧性足関節外側靱帯損傷(chronic ankle instability:CAI)に移行する可能性が考えられる.また,X線検査で裂離骨片が確認できても,仮骨形成が得られているかどうかの判断はむずかしく,事実上,X線検査を骨癒合の診断,ひいては外固定除去の可否判断に利用することは困難と考えられる.
一方,超音波検査は,裂離骨片の有無を確認できるだけでなく,骨折部の仮骨形成の有無や不安定性,前距腓靱帯の炎症の程度などの評価が可能であり,有用であるとの報告3)が散見される.
われわれは,小児足関節捻挫に対して,超音波検査を実施し,裂離骨片の有無および仮骨形成の有無や靱帯の炎症の程度などの評価に基づいた保存的治療を行ったので報告する.
© Nankodo Co., Ltd., 2020