総合診療 28巻5号 (2018年5月)

特集 “一発診断”トレーニング問題集—懸賞論文「GM Clinical Pictures」大賞発表!

山中 克郎
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病歴と特徴的な身体所見や検査所見から、「あっ、この疾患だ!」とSnap Diagnosis(一発診断)ができることがあります。

知らない病気は、いくら考えてもわかりません。

こんな病気があるんだと知っていれば、迅速に診断できます。

無駄な検査がなくなり、スムースに治療を行うことができるので、患者さんから大いに喜ばれ診療が楽しくなります。

本特集では、このようなSnap Diagnosisや総合診療医として知っておくべき基本的な所見にフォーカスを当て、臨床能力のいっそうのレベルアップを目指します。

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Q1 いつもと違う頭痛

Q2 時計のお絵かき

Q3 点眼後の呼吸苦

Q4 ひどくなった咽頭痛

Q5 3週間前からの腰痛

Q6 虫刺され? いや、違う!

Q7 腰痛患者の皮膚発赤

Q8 治らない「爪白癬」

Q9 眼に注目

Q10 肺炎として治療された左肺腫瘤影

Q11 唇が腫れた

Q12 繰り返す「誤嚥性肺炎」?

Q13 発熱と皮疹

Q14 2年前から下痢と下血

Q15 発熱・頭痛で来院

Q16 2人に共通する疾患は何?

Q17 8カ月前から広がる皮疹

Q18 多彩な症状

Q19 多発する皮疹

Q20 Creutzfeldt-Jakob病か?

Q21 退化しない細〜〜〜胞

Q22 突然の腰背部痛

Q23 進行子宮がん?

Q24 症状の原因は脳梗塞??

Q25 歩行困難と胸部以下のしびれ

Q26 左側腹部から膝にかけての痛み

Q27 全身の皮下出血

Q28 尿カテ留置中の尿量減少

Q29 舌の左方に咬創

Q30 1カ月続く腹痛

Q31 息切れと胸部圧迫痛

Q32 後頸部の痛み

Q33 発熱と嚥下時痛

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“一発診断”トレーニング問題「Q1〜Q33解答」

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知識の大海原をゆけ

 残念ながら、1人の臨床医が現場で経験できる症例数には、気が遠くなるほど忙しい野戦病院に勤務していたとしても、限界があります。しかし、近年の通信技術の発達は目覚ましく、大都会の急性期病院でなくても、さまざまな症例を疑似的に体験できるプラットフォームが年々整備されつつあります。

 最新のデバイスが次々に登場し、インターネットを介して膨大な情報にアクセスが可能となった現代において(p.689)、私たち臨床医の携える武器は、分厚いハードカバーの教科書だけではもはやありません。パソコンを起動すれば、最新の大規模臨床試験から症例報告に至るまで、まさに玉石混淆、広大な“知識の大海原”が目の前に広がっています。

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本問題集は、今月の特集のご執筆者に、執筆テーマに関連して「総合診療専門医なら知っておいてほしい!」「自分ならこんな試験問題をつくりたい!」という内容を自由に作成していただいたものです。力試し問題に、チャレンジしてみてください。

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 医師国家試験に合格し、希望に胸を膨らませながら、この4月から診療を始めた1年目初期研修医がたくさんいるだろう。目の前の患者さんに全力を尽くし、真摯な態度で診療にあたってほしい。

 医師は、診療の中心ではない。患者さんが中心にいて、医師を含む多くの医療従事者がそのまわりを取り囲んでいる。コメディカルの協力があって、初めて素晴らしい医療が提供できる。

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ITそしてAI時代の診断推論

 近年「AI(artificial intelligence:人工知能)」の進歩は目覚ましく、本邦でも国立研究開発法人日本医療研究開発機構(Japan Agency for Medical Research and Development:AMED)をはじめとして、数多くの臨床研究が行われている。近い将来、さまざまな領域で「AI診断」が用いられるようになるだろう。

 IT(information technology)の臨床応用として、AIとまではいかないが、すでにGoogleやPubMedなどの「検索エンジン」の活用が、実臨床に大きく寄与している。それは、指数関数的に増加していく医学的知見や、訴訟リスクの増大、コスト意識の高まりなどと無縁ではなく、取り扱える情報量が有限である人間の特性を考慮すれば、瞬時に多くの情報を得られるインターネットの登場は、まさに救世主と言える。効率的かつ正確な医療の提供には、「ウェブ情報」の活用は、もはや必須条件となっているのである1)

GM Group Dynamics・4

東京GIMカンファレンス
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本欄の第1回で紹介した京都GIMカンファレンス。その熱い遺伝子を受け継いで、遠く離れた(?)東京の地で2012年に誕生したのが、「東京GIMカンファレンス」だ。初代代表世話人の忽那賢志氏(国立国際医療研究センター)を筆頭に、佐田竜一氏(亀田総合病院)、綿貫聡氏(多摩総合医療センター)、志水太郎氏(獨協医科大学)、石金正裕氏(国立国際医療研究センター)によって立ち上げられた。いまや通算60回を超え、毎回50名ほどが参加する規模に成長した。2017年に刊行された書籍『魁!! 診断塾—東京GIMカンファレンス激闘編』(医学書院)は、本カンファレンスが基になっている。

 診療を終えてからでも間に合うよう、開始は19時半。毎回、各施設から持ち寄られた3症例を取り上げ、「Clinical Problem Solving形式」で臨床推論を展開する。時には小グループに分かれてのディスカッションも行うが、世話人の綿貫氏が「参加しやすく・発言しやすい雰囲気づくり」を心がけていると語るとおり、医学生の参加者もベテランに負けずに自分の考えを述べられる、自由闊達な場だ。

What's your diagnosis?[185]

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病歴

患者:79歳、男性。

主訴:四肢のしびれと、歩きにくさ。

現病歴:ADL(activities of daily living)自立、妻と2人暮らし。来院2日前の起床時から、四肢の遠位優位でピリピリするようなしびれを自覚した。手袋、靴下を履いているような感覚鈍麻がある。立位をとることが困難となり、箸もうまく使えなくなった。2日経過しても症状が改善しないため、外来受診された。発症から増悪はしていない。発症前に外傷歴や上気道症状、腹痛、下痢、血便のエピソードはない。

ROS(review of systems):陰性症状;発熱、悪寒、体重減少、意識障害、頭痛、頸部痛、めまい、嘔気、構音障害、複視、嚥下障害、顔面しびれ、便秘、排尿障害、口喝、多飲、多尿、立ちくらみ。

既往歴:高血圧、2型糖尿病。

内服歴:オルメサルタン20mg、アムロジピン10mg、メトホルミン750mg、テネリグリプチン20mg、ピオグリタゾン15mg。

アレルギー:なし。

喫煙歴:なし。

飲酒歴:機会飲酒。

診察で使える!|急性期Point-of-Care超音波ベーシックス・14

肺超音波の基本事項 亀田 徹
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はじめに

「肺超音波」とは?

 今回から「呼吸器」に入ります。呼吸器の超音波と言えば、まず胸水の評価が思い浮かびますが、他の利用については馴染みのない方が少なくないと思われます。本邦では1970年代後半に呼吸器領域(呼吸器病学)に超音波診断法が導入され、1980年代にその根幹が確立され、腫瘍性病変の診断や胸水の評価を中心に利用されてきました1)。一方、超音波による気胸や肺水腫の評価については、1990年代に救急・集中治療領域で注目され始め、多くの臨床研究を通じて一定の有用性が示されてきました2〜4)。この領域独自の用語が定められ、現在ではPoint-of-Care超音波として利用されるに至ります。

 このように、呼吸器の超音波診断には2つの流れがあり、整合性が十分に得られていない部分があります。今後は、呼吸器領域とPoint-of-Care超音波を扱う領域との間で、共通の基盤を形成していく必要があります。本連載では、呼吸器領域の超音波診断を意識しながら、Point-of-Care超音波のアプローチに基づき、「肺超音波(lung ultrasound)」として取り上げてみたいと思います。

*本論文中、[▶動画]マークにつきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2020年4月30日まで)。

もやもや処方の処方箋・2

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今月の処方箋

Aクリニックより

〔常用薬〕

•アシノン®錠(ニザチジン)150mg

 1回1錠 1日2回 朝夕食後

•バファリン®配合錠A81(アスピリン・ダイアルミネート)

 1回1錠 1日1回 朝食後

•プレタール®OD錠(シロスタゾール)50mg

 1回1錠 1日2回 朝夕食後

•ベザトール®SR錠(ベザフィブラート)200mg

 1回1錠 1日1回 朝食後

•ランデル®錠(エホニジピン)40mg

 1回1錠 1日1回 朝食後

B診療所より

〔常用薬〕

•ノイロトロピン®錠4単位

(ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液)

 1回2錠 1日2回 朝夕食後

•リリカ®カプセル(プレガバリン)75mg

 1回1カプセル  1日1回 寝る前

オール沖縄!カンファレンス|レジデントの対応と指導医の考えVer.2.0・17

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 本連載(第17回)より、「オール沖縄!カンファレンスVer.2.0」にバージョンアップ!レジデントの対応と指導医の考えにフォーカスを当てながら、ケースカンファレンスを展開していきます。

I LOVE Urinalysis|シンプルだけどディープな尿検査の世界・14

薬剤による着色尿 上田 剛士
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Case

患者:53歳、男性。

現病歴:重症感染症で集中治療室に入室中。

尿の色が緑色となった(図1)。

みるトレ Special・17

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患者:70歳代、男性。

主訴:腕の疼痛、発熱、意識障害。

現病歴:4日前に腕を隣家の犬に咬まれたが、病院嫌いのため、自宅で自分で消毒して経過観察していた(図1)。昨日から37℃の発熱を認め、今朝から朦朧としているため、家族が救急車を要請した。第3病日に、入院時に採取した血液培養が陽性になった。グラム染色写真を示す(図2)。

身体所見:意識GCS(Glasgow Coma Scale)E3V4M4、血圧96/68mmHg、心拍数112回/分・整、体温38.9℃、呼吸数24回/分、SpO2 94%(室内気)。

血液検査:WBC 14,800/μL(Stab 18%、Seg 80%、Lym 2%)、CRP 18.5mg/dL。

こんなときオスラー|超訳『平静の心』・17

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CASE 1

Aさんは地方の国立大学医学部の学生である。医師である父親の勧めで、医学部を受験した。2年生となり、基礎医学の試験勉強で忙しくなってきた。なんとか定期の試験に合格するくらいの勉強はしているが、試験に無事通った後は、毎日スマホで友人と情報交換をしたり、漫画を読んだりして、時間を持て余している。医学に対する勉強意欲が、心底から湧いてくることがない。これから一生、医学を勉強しなければならないことは自覚しているが、それを考えると、憂鬱になる。

国試にたずねよ・17

今が盛りの梅の花 山中 克郎
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 今冬、信州の冷え込みは厳しかった。諏訪湖が全面氷結し、氷の割れ目がせり上がる「御神渡り」が5年ぶりに観察された。

 雪が降り積もると、高英男(1918〜2009)が歌う「雪の降るまちを」(1952)の情景が思い出される。私は2番の歌詞が好きである。医師国家試験のつらい勉強に耐えて合格し、医師として働き始める時ほど、心ときめく瞬間はない。

ジェネラリスト漢方Basics|東西2つの視点でアプローチ・5

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 風邪は「数種類のウイルスによって起こり、良性で自然軽快する上気道症状を主体にする症候群」と定義されるが、それは後から振り返って初めてわかることである。症状が未分化な状態で患者が来院するプライマリ・ケアの現場には、「風邪だと思ったら、翌日下痢が始まり胃腸炎だった」とか、「風邪だと思って感冒薬で数日経過をみたら、マイコプラズマ肺炎になってしまった」といった悩ましい患者が訪れる。風邪に似た、風邪ではない疾患が除外できて、そして抗菌薬の必要性がないことを見極めて、ようやく「風邪」と言える。その後も本当に風邪でよいかは経過をみないとわからず、悩ましい。かつて先輩から「外科医は、アッペに始まりアッペに終わる」と言われたが、プライマリ・ケアの外来は、「風邪に始まり、風邪に終わる」と言っても過言ではないだろう。

55歳からの家庭医療|明日から地域で働く技術とエビデンス・17

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 家庭医の臨床的方法あるいは診療の進め方に関して、「FIFE(本連載第14回)」「ライフヒストリー(第15回)」「健康生成論(第16回)」を家庭医の診療メソッドにビルトインするための考察を進めていくと、「家庭医が対象とする患者とは、いったいどのような存在なのか」ということを再度考える必要が出てきます。そこで、興味深い論考をいくつか紹介します。

総合診療専門医(仮)セルフトレーニング問題・14

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セッティング

都市部の家庭医クリニック(無床)。外来診療は、幅広い年齢層のよくある問題に対応している。訪問診療についても、強化型在宅支援診療所として、がん・非がんの在宅緩和ケアまで担当し、近隣の総合病院と必要に応じて連携している。

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総合診療
28巻5号 (2018年5月)
電子版ISSN:2188-806X 印刷版ISSN:2188-8051 医学書院

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