特集 —疾患別“イルネススクリプト”で学ぶ—「腹痛診療」を磨き上げる22症例
【総論】
❶「腹痛」とは何か?—中身が見えない箱の中で行われている演劇
腹痛を「考える」会
キーワード:
持続痛/非持続痛
,
内臓痛/体性痛/関連痛
,
栄養血管と関連痛の位置
Keyword:
持続痛/非持続痛
,
内臓痛/体性痛/関連痛
,
栄養血管と関連痛の位置
pp.518-525
発行日 2023年5月15日
Published Date 2023/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204264
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100年経っても
腹痛、特に急性腹症(急激に発症した腹痛のうち、早期の診断および緊急手術を含む迅速な対応が必要な腹部疾患)の診断能力を鍛えるための書籍を1冊だけあげるなら、『急性腹症の早期診断 第2版』1)を推薦する。本書の原著は、『The Early Diagnosis of the Acute Abdomen』2)で、初版は1921年である。
1972年の第14版までZachary Copeが単独執筆し、序文には「Murphyをはじめとした数多の先達に指導されたが、自分自身の経験から確認・証明できなかったことは一切記述していない」2)旨が述べられている。すなわち、先達の智慧にCope自身の経験から得た知見を加えた書籍である。1974年にCopeが逝去したあと、第15版から編集を引き継いだWilliam Silenも、Copeの執筆方針に従って自身の経験と観察に基づき改訂を行った。最新版は2010年の第22版であるが、初版から100年が経過した今も、急性腹症の症候に関する内容は十分に通用する。
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