診察で使える!|急性期Point-of-Care超音波ベーシックス・14
肺超音波の基本事項
亀田 徹
1
1安曇野赤十字病院救急科
pp.694-698
発行日 2018年5月15日
Published Date 2018/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201500
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はじめに
「肺超音波」とは?
今回から「呼吸器」に入ります。呼吸器の超音波と言えば、まず胸水の評価が思い浮かびますが、他の利用については馴染みのない方が少なくないと思われます。本邦では1970年代後半に呼吸器領域(呼吸器病学)に超音波診断法が導入され、1980年代にその根幹が確立され、腫瘍性病変の診断や胸水の評価を中心に利用されてきました1)。一方、超音波による気胸や肺水腫の評価については、1990年代に救急・集中治療領域で注目され始め、多くの臨床研究を通じて一定の有用性が示されてきました2〜4)。この領域独自の用語が定められ、現在ではPoint-of-Care超音波として利用されるに至ります。
このように、呼吸器の超音波診断には2つの流れがあり、整合性が十分に得られていない部分があります。今後は、呼吸器領域とPoint-of-Care超音波を扱う領域との間で、共通の基盤を形成していく必要があります。本連載では、呼吸器領域の超音波診断を意識しながら、Point-of-Care超音波のアプローチに基づき、「肺超音波(lung ultrasound)」として取り上げてみたいと思います。
*本論文中、[▶動画]マークにつきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2020年4月30日まで)。
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