ジェネラリスト漢方Basics|東西2つの視点でアプローチ・5
「これって本当に風邪?」—漢方の副反応を知る
岡部 竜吾
1
1伊那市国保美和診療所
pp.734-736
発行日 2018年5月15日
Published Date 2018/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201511
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風邪は「数種類のウイルスによって起こり、良性で自然軽快する上気道症状を主体にする症候群」と定義されるが、それは後から振り返って初めてわかることである。症状が未分化な状態で患者が来院するプライマリ・ケアの現場には、「風邪だと思ったら、翌日下痢が始まり胃腸炎だった」とか、「風邪だと思って感冒薬で数日経過をみたら、マイコプラズマ肺炎になってしまった」といった悩ましい患者が訪れる。風邪に似た、風邪ではない疾患が除外できて、そして抗菌薬の必要性がないことを見極めて、ようやく「風邪」と言える。その後も本当に風邪でよいかは経過をみないとわからず、悩ましい。かつて先輩から「外科医は、アッペに始まりアッペに終わる」と言われたが、プライマリ・ケアの外来は、「風邪に始まり、風邪に終わる」と言っても過言ではないだろう。
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