特集 今伝えたいクリニカル・パール—つくり方、使い方、活かし方
【継承された“とっておきパール”】
❿目の前で起きた血小板減少は、専門家不要!
藤野 貴久
1
1聖路加国際病院 血液内科
キーワード:
血小板減少
,
ヘパリン起因性血小板減少症
,
HIT
,
薬剤性血小板減少症
,
DITP
,
被疑薬
Keyword:
血小板減少
,
ヘパリン起因性血小板減少症
,
HIT
,
薬剤性血小板減少症
,
DITP
,
被疑薬
pp.1050-1051
発行日 2024年9月15日
Published Date 2024/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204998
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さまざまな血小板減少のコンサルテーションを受けるなかで、上司がぼそっとつぶやく言葉から学ぶことも多い。上記はそのなかから生まれたパールである。科学的根拠があるわけでもなく、調べても類書に書かれている有名な経験則でもない。しかし、これほどにシンプルで的を射たパールを他に知らない、そんなとっておきのパールである。
セッティングは病棟でも外来でもよいが、若手医師の皆さんは病棟で血小板減少と出合うことが多いだろう。このパールは特に血小板減少がない患者に、血小板減少が急性に起こった場合に威力を発揮する。目の前で血小板減少が起こった患者の、50%以上は薬剤性か、ヘパリン起因性血小板減少症(heparin-induced thrombocytopenia:HIT)、つまり非血液腫瘍である。よって、まずはこれらの病態かどうかを評価する必要がある(血小板減少を見た場合に、まず行うべきは「重症度/緊急度の評価」と「輸血必要性」だが、本稿では割愛する)。
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