シリーズ Empirical EYE
ウェブ診断と診断推論—「web-based searching」を考える
上原 孝紀
1,2
,
野田 和敬
1,2
,
鋪野 紀好
1,2
,
塚本 知子
1,2
,
生坂 政臣
1,2
1千葉大学大学院医学研究院 診断推論学
2千葉大学医学部附属病院 総合診療科
pp.689-693
発行日 2018年5月15日
Published Date 2018/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201499
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ITそしてAI時代の診断推論
近年「AI(artificial intelligence:人工知能)」の進歩は目覚ましく、本邦でも国立研究開発法人日本医療研究開発機構(Japan Agency for Medical Research and Development:AMED)をはじめとして、数多くの臨床研究が行われている。近い将来、さまざまな領域で「AI診断」が用いられるようになるだろう。
IT(information technology)の臨床応用として、AIとまではいかないが、すでにGoogleやPubMedなどの「検索エンジン」の活用が、実臨床に大きく寄与している。それは、指数関数的に増加していく医学的知見や、訴訟リスクの増大、コスト意識の高まりなどと無縁ではなく、取り扱える情報量が有限である人間の特性を考慮すれば、瞬時に多くの情報を得られるインターネットの登場は、まさに救世主と言える。効率的かつ正確な医療の提供には、「ウェブ情報」の活用は、もはや必須条件となっているのである1)。
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