保健師ジャーナル 76巻4号 (2020年4月)

特集 2020押さえておきたい—母子保健のポイント

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近年,母子保健法の改正や成育基本法の制定,関連する各事業の開始など,母子保健に関する支援体制の整備や充実が目まぐるしく求められている。また,2019年には現場での活用が期待される「授乳・離乳の支援ガイド」「小児のアレルギー疾患保健指導の手引き」が公表された。本特集では,2020年時点の母子保健の動向とともに,押さえておきたい母子保健のポイントを現場での実践を踏まえて紹介する。

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母子保健活動の基盤となる母子保健法の最近の改正の状況や,妊娠期から出産後に至る切れ目ない支援の必要性,厚生労働省が実施する予算補助事業等の関連施策,成育基本法の概要やその他の政策動向について解説し,その上で母子保健に関わる現場の保健師への期待を述べる。

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静岡県では,市町間で健診の内容やその判定方法,結果が大きく異なるという課題があった。その状況を受けて作成した「静岡県1歳6か月児・3歳児健康診査マニュアル(平成29年3月)」の紹介とともに,健診における観察の視点や評価の必要性について述べる。

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保健所保健師の立場から,子育て世代包括支援における多職種の連携・協働や保健師の役割・活動について,妊娠初期から幼児期まで支援を行った虐待事例への関わりを基に解説する。さらに,自らの経験も踏まえて多組織・多職種が連携・協働する上でのポイントを述べる。

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富山市では,2015(平成27)年度から切れ目ない子育て支援体制の強化に取り組み,さまざまな事業を実施・拡充してきた。富山市のこの取り組みの概要や事業展開,効果等を紹介し,切れ目ない子育て支援を行う上でのポイントや支援の中で保健師として大切にしてきたことを述べる。

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2019(平成31)年3月に「小児のアレルギー疾患保健指導の手引き」が公表された。小児アレルギー疾患に対する保健指導の重要性を述べるとともに,この手引きの概要を紹介する。また,小児アレルギー疾患の相談事例などから,保健指導上のポイントを例示する。

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湯河原町の概要

 神奈川県湯河原町(図1)は県の西南端に位置する,伊豆,箱根の山々と相模の海に囲まれた街です。温泉地としても知られ,東京からは約90kmの距離にあります。

 人口は2万4803人(2020〔令和2〕年1月現在),年間出生数95人(2018〔平成30〕年度),出生率3.8(2016〔平成28〕年度),老年人口指数40.3(2015〔平成27〕年度)と,少子高齢化が進んでいます。

 

神奈川県湯河原町では,親子のスキンシップを通じて,自己肯定感を高めるメソッドである「ウェルネス・タッチケア®」を,さまざまな母子保健事業に合わせて行っています。やさしい触れ合いを通じて,愛着形成を促し,自己肯定感を高め,ひいては,うつ病などの疾病,虐待,自殺予防につなげることを目的として取り組みを展開しています。

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調査目的

 わが国の精神保健医療福祉は,「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築」の実現を目指し,当事者がより一層地域の中で安定した生活を送れることを目指している1)

 その中で,「精神保健及び精神障害者に関する法律」における通報等の制度は,当事者が地域生活を送る中で発生した,自傷他害の恐れの危機的状況に対応する一手段としての役割を果たす。

連載 「おも★けん!」新任期でもできる!おもしろ健康教育のつくり方・1【新連載】

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まずは自己紹介

 私たち「おもけん」はその名の通り,見て楽しい,参加してよかったと思える健康教育をモットーに,2011年から全国各地で健康講座や研修を実施しています。活動は今年で9年目に入り,研修実績は300施設以上,受講者は累計で5千人を超えました。2018年には一般社団法人になりました。

 研究所のメンバーは大学教員をはじめ,行政書士さん,お寺のご住職,町の写真屋さんや子育て中のママさんなど,多様な背景を持ちながら,本業の合間を縫って活動しています。一般に健康教育は保健医療職の専門家が実施するものというイメージを持たれがちですが,健康づくりはあくまでヘルスプロモーション,住民主体で行われることが望ましいという志を共にする仲間が集まっています。「三人寄れば文殊の知恵」ということわざがありますが,メンバーに多様性があるチームは課題解決力が高くなります。そして何よりみんなでワイワイ活動するのは楽しいです。

連載 ネウボラから学ぶ日本の母子保健再構築・1【新連載】

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連載のはじめに

 わが国では,母子保健法の改正により,2017(平成29)年4月から子育て世代包括支援センターを市町村に設置することが努力義務とされた。同センターは,妊娠・出産包括支援事業と子ども・子育て支援新制度の利用者支援や子育て支援などを包括的に運営する機能を担うものであり,妊娠・出産・子育てに関するマネジメントを行うことが期待されている。しかし,その具体的な運用については,各市町村の創意工夫が求められており,これまでの保健活動との違いや今後の取り組みに対して,戸惑いの声も少なからず聞かれている。

 一方,多くの自治体のこれまでの母子保健領域では,リスクのある家庭への支援,すなわちハイリスクアプローチに重点を置いて保健師活動が行われてきた。ハイリスク家庭に対して,寄り添い,きめ細かく支援をする保健師の姿勢は,関係機関・職種からも高い評価を得ている。

連載 ポジティブな地域づくりを考える ポジティブ心理学×公共哲学から見る公衆衛生活動・1【新連載】

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 第1回は,本連載で地域づくりを考えていく視点の1つであるポジティブ心理学とその広がりを島井氏が解説した上で,公共哲学との関係性について小林氏が述べていきます。

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 近年の少子高齢化の進展や家族形態の多様化などにより,保健福祉部門では生活課題が複雑化し,多問題事例や処遇困難事例が増加傾向にあります。生活困窮者への相談支援のほか,2019(令和元)年の生活保護法の改正により,被保護者の健康管理支援事業が開始されるなど,保健師活動が拡大傾向にあり,増員要望等も行っているところです。

 しかし,例えば介護保険分野を見れば,自立支援・重度化防止の推進に向けて地域ケア会議が開催され,自立支援型ケアプランによる支援などでは,作業療法士や理学療法士などのリハ職や社会福祉士の活動が注目・期待されています。また,個別の事例のみならず,地域マネジメント,いわゆる健康福祉のまちづくりにおいても,保健師への期待度が下がってきているように感じています。

連載 研究室からのメッセージ・171

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History and Now

どのような機関なのでしょう?

 本学は学校法人川崎学園創設者の川崎祐宣が,川崎医科大学に続く2つ目の大学として,「人間をつくる 体をつくる 医療福祉学をきわめる」を理念に,1991年に開学した,5学部17学科,修士課程12専攻,博士課程8専攻を擁する医療福祉系の大学です。

 1995年に医療福祉学部保健看護学科を開設し,1999年に保健看護学専攻修士課程,2006年に博士後期課程を設置しました。2019年に医療福祉学部から独立し,保健看護学部保健看護学科となりました。本学は講座制でないため,専門分野は領域で区分しています。

連載 ニュースウォーク・263

18年目の「SARSの戒め」 白井 正夫
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 手元に「横浜港客船入港予定」表がある。ミナトヨコハマの大桟橋と大黒ふ頭に今春入・出港する大型客船の一覧表。2月1日,横浜市の出先で手にした。知人夫婦が大型クルーズの旅を楽しんだという話を羨みながら,せめて豪華客船の偉容だけでも拝んでおこうという気になった。

 一覧表から3日後に大黒ふ頭へ入る「ダイヤモンド・プリンセス」を知った。英国船籍で,総トン数11万5875t,全長290m,乗客定員2706人。10日前に東南アジアクルーズで横浜を出港,2月4日早朝に戻り,その日の夕方また次の周遊へ出港する。ひと目豪華客船を見たかったのだが,私としてはうかつだった。

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次号予告・編集後記

基本情報

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保健師ジャーナル
76巻4号 (2020年4月)
電子版ISSN:1882-1413 印刷版ISSN:1348-8333 医学書院

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